【IVRCを攻略する】Vol.5 - まだ間に合う!IVRC決勝直前対策8選
パル@IVRC2015「ニョキニョキ豆の木」の中の人です。
IVRCシリーズ第5回は、決勝大会直前特集!今からでもやっておきたい展示対策を紹介します。
IVRC決勝大会直前対策8選!
1. 故障に備える
大前提として、作品は壊れます。
- 審査員の先生の体験中に限ってデモが動かない
- 機材の扱いに慣れないお客さんが乱暴に扱ってしまう
- 体験者数が多すぎて機材がもたない
というのは、展示あるあるですね。
- 壊れやすいのはどこか?
- 各種機材・部品のスペアはあるか?
- 展示中に壊れた場合にどう対処するか?
ちゃんと想定してありますか?
機材や部品はそこらへんで買えるものばかりではないはず。
こういう展示では、壊れるのを前提に準備しましょう。
2. 安全に万全を期す
何といっても安全第一!
落下や転倒の危険があるなら、マットが必要です。
水を使う展示なら防水対策、食品を使う展示なら衛生対策。
展示形態に合わせた安全対策をしましょう。
壊れる前にメンテする段取りをつけておくのも重要です。事故を未然に防ぐことを最優先に。
それから、子どもが来る想定も必要です。子どもサイズでも安全なセッティングを確認するとか。
3. デモの体験設計をする
実装して終わりではありません。体験設計までが制作です。
では、体験設計とはどういうことか。
この重大トピックをものすごくシンプルに捉えると、白井先生がおっしゃっていた「体験中は黙れ」ということに集約されると思います。
ほとんどの作品で指摘させて頂いたのは#体験中は黙れ!
— Akihiko SHIRAI, Ph.D (@o_ob) 2015年10月25日
せっかく没入させてヘッドホンまで付けているのに体験開始後も注意事項や解説や、未完成の言い訳をし続けるのは何故か?
日本語で説明が必要な体験になっていないか?あなた自身が邪魔になっていないか?他人で練習したか?#IVRC
#体験中は黙れ!
— Akihiko SHIRAI, Ph.D (@o_ob) 2015年10月25日
には実は前後で重要な要素があって、#体験の前側
なぜここに並んでいるのか?何者なのか?何を期待しているのか?#体験の後ろ側
余韻を味わう長さは体験者の経験によって異なる。何を作品のゴールとするか?
ゲーセンバイト、USJやジョイポリスで身体で学んだ。
少なくともこのことを覚えておけば、より伝わる展示になるはず。
作品で語る工夫をしてみましょう。
ちなみに、面白さの仕掛け方は白井先生の御本で丁寧に取り上げられていました。もっと早く読んでおけばよかった…。
白井博士の未来のゲームデザイン -エンターテインメントシステムの科学-
- 作者: 白井暁彦,はやのん
- 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
- 発売日: 2013/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (4件) を見る
4. ブースデザインを工夫する
せっかく頑張って制作した作品、その見せ方を考えてみましょう。
昨年も、システムを説明するパネルを用意しているチームは多かったように思います。
が、手が回るなら他にも色々できることはあります。参考までに、昨年ニョキ豆でやったのはこんな感じ。
- ディスプレイを置いて導入ムービーを再生(ストーリー設定の口頭説明を避けるため & 待機列対策)
- 待ち時間表示用にミニホワイトボードを設置(待機列対策)
- 機構のフレーム後ろにロゴを配置(体験中に写真を撮ったら、背景にロゴが映るようにするため)
- チームTシャツ制作(やりたかっただけ。結果的にはスタッフを判別しやすくてよかった)
チームでこういうことに時間を割けるメンバーがいるなら、できることはやってみるに越したことはないです。このくらいだと、1〜2日前くらいに思い立ってやり始めても終わるはず。
そして特に、Laval Virtual賞狙いならデザイン面にも気を配っておくといいと思います。国際ウケ的な意味で。
5. アピールポイントを整理して共有する
審査員の先生に何をアピールしたいのか、チーム内で共有できていますか。
IVRCにおける審査のポイントは以下の3つ。
- 新規性
- 技術的チャレンジ
- 体験のインパクト
これらを作品の中でどのように達成しているか。
それから、予選からの改善点も、審査員の先生からよく聞かれる質問の筆頭です。
チーム内で必ず確認して、共有しておきましょう。
6. 記録の準備
これは口を酸っぱくして言っているのですが、写真や動画、テキストできっちり展示の記録を残すこと!
特にIVRCで決勝進出しているくらいなので、受賞作になるかもしれないですし。
効果的に記録をとるためには、事前の準備が必要です。記録の取り方についてはこちらの記事で詳しく書いています。
www.pal3.jp
7. 持ち物リストを作る
言わずもがな、忘れ物すると悲惨なことになります。
荷造りするときには必ず持ち物リストを作って管理しましょう。予備を持って行くのも忘れずに。
8. 女性対応について想定しておく
これ、当日気づいて結局何も対策できていないチームが多いです。
特に注意したいのが着用するタイプの展示と、乗るタイプの展示。
例えば、着用するタイプの展示で、デバイス着用の際に体験者のお腹や太ももの辺りを触る必要があるとか。乗るタイプの展示で、スカートを履いているとセクシーな感じになってしまうとか。
「ニョキニョキ豆の木」は後者の典型例でした。対策としては、貸出用のズボンを用意しました。ただし、これがベストな対策だったかというと微妙なところです。
というのも「その場での履きたくない」という方にはトイレまで行って着替えていただいたりするしかなかったので、体験までの心理的なハードルがぐっと上がってしまうからです。
とはいえ、昨年は他にも乗るタイプの展示があって「あっちのデモを体験をするためにズボンを貸して欲しい」と言われることもあったので、何も準備しないよりはマシかと思います。が、もっと良い対策あればぜひ試してほしいです。
実際に対策するか否かは各チームの判断によりますが、いずれにせよ想定はしておいた方がいいと思います。女性の審査員の方がスカート着用という状況も結構ありますし。
まとめ
以上、まだ間に合う決勝直前対策8選でした!
参考までに、IVRC審査員でもある簗瀬さんによるこちらの記事もご紹介しておきます。
yoh7686.blogspot.jp
IVRC参加者のみなさん、がんばって!